子どもたちへ
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エシカル消費って何?
皆さんは普段何をものさしにお買い物をしていますか?
値段でしょうか?デザインでしょうか?
ブランドでしょうか?流行でしょうか?必要だからでしょうか?
また、どこで買い物をしていますか?
近くのお店でしょうか?お気に入りのお店でしょうか?
それともインターネットでしょうか?
私たちは毎日たくさんの物を色々な場所で買って生活しています。
今、世界では、
お買い物、つまり消費行動で世界をより良くしよう!
という取組が必要とされています。
その行動を「エシカル消費」といいます。
エシカル消費とは、必要性を考えたうえで、
「消費者それぞれが各自にとっての社会的課題の解決を考慮したり、
そうした課題に取り組む事業者を応援したりしながら消費活動を行うこと」とされています。
例えば、私たち一人ひとりが、
消費者自身にとってだけでなく、環境や社会のために、より良い商品や方法をぶ消費行動のことです。
エシカル消費は、現在世界的に取り組まれているSDGs(図1)という環境や社会の未来をより良くするための目標のうち12個目(図2)にも最も関係が深いとされる重要な行動です。
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エシカル消費はなぜ大切?
どうしてこのような買い物の方法が必要なのでしょうか?
それは、世界には社会的課題があるからです。
実際にどのような課題があるか考えてみましょう。
環境問題
環境問題というと、皆さんもよく知っている地球温暖化等の気候変動があります。
人間の活動などによって引き起こされた地球温暖化によって、地球の平均温度は上昇していて、21世紀末には最大4.8度上昇すると言われています。
地球温暖化によって、極端な気温の変動、極端な降水や乾燥傾向、発達した低気圧や破壊力の強い台風など気候への影響があります。
他にも、環境と消費の問題では、森林の過剰な伐採、植物や動物、海や河川などに悪影響を与える可能性のある栽培方法なども考えられます。
社会問題
皆さんがとても安い外国産の商品を見つけたとします。
安い商品を見つけるとついつい買いたくなると思います。
しかしなぜ「安いのか」を考えると、遠く離れた国で、皆さんと同じ年くらいの子どもたちが何時間も安いお給料で働いているかもしれません。
またその反対に安い外国産の商品があることで、それより価格の高い地元の商品が売れないという問題もあります。
食品ロス
食べ残し、売れ残りや期限が近いなどの理由で、食べられるのに捨てられてしまう食品を食品ロスと言います。
日本の食品ロス量は、年間600万トンを超え、毎日、大型トラック(10トン車)約1,700台分の食品を廃棄しています。
これは世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食糧援助量(2019年実績420万トン)の1.5倍に相当します。
また、食品ロスを国民一人当たりに換算すると“お茶碗約1杯分の食べ物”が毎日捨てられていることになるのです。
今回紹介した問題はたった一部にすぎません。
まずはこういった問題に興味をもって調べてみてください。
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君たちにもできるエシカル消費!
環境問題に対しては、エコマークがついた製品やサービスを選ぶこともエシカル消費です。
エコマークとは、環境のことを考えた製品やサービスにつけられるマークです。
リサイクルだけでなく、材料を選ぶとき、ものを作るとき、運ぶとき、使ったあとのこと、つまり、商品の一生を考えて環境への負荷が少ないと認められたものにだけつけられる、すごいマークです。
エコマークは、皆さんが日々使っている文房具や制服はもちろん、タオルや石鹸、トイレットペーパーなどの日用品から建築資材やエンジンオイルまで幅広い分野にわたっています。
環境を意識した商品選びを行って、未来の地球を守りましょう。
社会問題に対しては、フェアトレードというしくみが行われています。フェアトレード認定製品を購入することは、開発途上国の生産者をサポートすることにつながります。
ところで、皆さんが大好きなチョコレートの原料であるカカオ豆はどこでどのように作られて私たちの手に届けられているか、考えたことはありますか。
カカオ豆のある農園では皆さんと同じ年くらいの子どもたちが働いていることもあります。
このような児童労働の数は、実は世界の子どもの10人に1人、約1億5,200万人にのぼります。
フェアトレード認定製品は生産者がしっかりとした対価を得られるよう、持続可能な生産と生活を支える価格を設定しています。
フェアトレードにより生産者が適正で安定した収入を得ることができれば、子どもたちが働くことなく、学校に通うことができるようにもなります。
フェアトレード認定製品を選んで遠く離れた人達の生活を支え、貧困をなくす手助けをしませんか。
- エシカル消費はお買い物だけではありません。
- もっと身近で皆さんができるエシカル消費としては、
食べ残しを減らすこと、マイボトルを持ち歩くこと、省エネや節電につながる行動をすることなどが挙げられます。
食べ残しを減らすことは食品ロスの削減につながります。 - マイボトルを持ち歩くと外出先でペットボトルを買うことがなくなり、プラスチックの使用量を減らすことができます。
- また、電気をこまめに消す、エアコンの温度を1度上げるなどの省エネや節電につながる行動は、環境への負担を減らすことができます。
このようにエシカル消費と聞くと難しそうに感じますが、私たちにも行える行動がたくさんあります。
エシカル消費を通じて、社会貢献の第一歩を踏み出し、社会で起こっている問題について一緒に考えていきましょう。
- 参考文献
- 公益財団法人 日本環境協会 エコマーク事務局
https://www.ecomark.jp/kids/
- FAIRTRADE JAPAN
https://www.fairtrade-jp.org/about_fairtrade/why_fairtrade_cacao.php
- 東京くらしWEB
https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/manabitai/ethical/start1.html
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エシカル教材
エシカル消費に関する食育プログラムで使用した、教材やビデオです。
2020年9月22日に行った「こどもフードエシカルマスター講座」で使用した教材を無料でダウンロードができます。ぜひ、ご活用ください。
また2020年10月24日に行った「有機野菜農場で農業体験〜持続可能な農業を未来に〜」で使用したワークシートをご覧いただけます。
栄養素の働きから、3つの食品グループに黄・赤・緑で色分しています。3つの色からバランスよく栄養を摂って元気な体をつくりましょう。
三色食品群カードのコンビニエンスストア版です。コンビニエンスストアで食事を買う時も、3つの色を意識して購入しましょう。
作成:国分グループ本社株式会社
このレシピは国分グループ本社株式会社と株式会社セブンイレブン・ジャパンが合同に開催した「こどもフード・エシカルマスター講座」ように開発したレシピです。
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ふんわりなめらか!具だくさんかき玉スープ
作り方
- 『塩ゆで枝豆』を冷凍庫から出して5分ほど置いておく。
- 深めのどんぶりに、『絹とうふ』をスプーンですくって入れる。
1で解凍された『塩ゆで枝豆』もさやから出し、どんぶりに入れる。
『かに風味かまぼこ』も手でほぐして、どんぶりに入れる。 - 2に『フリーズドライかきたまスープ』を入れて、お湯100mlを注ぎ、スープカップ等に取り分ける。
*お好みで電子レンジで温めなおしてもOK!
(レンジ可の容器をご使用ください。) -
たまごのコクが絶妙!たまごのオープンサンド
作り方
- 『ベーコンほうれん草』を耐熱容器に入れ、500Wの電子レンジで20 秒加熱する。
- 食パンに『たまごサラダ』をのせ、スプーンなどでパンの上にひろげる
- さらに1の『ベーコンほうれん草』をのせ、トースター(200度くらい)で5 分ほど焼く。
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なめらかな食感が特徴!マンゴーラッシー
作り方
- 『アップルマンゴー』を冷凍庫から出し10分ほど置く。
柔らかくなったらフォークでつぶす。 - 『低糖ヨーグルト』と1を深めの容器に入れてスプーン等でよく混ぜる。
- 2に『牛乳』と『レモン果汁』を入れてさらに混ぜる。
- 3をグラスに注いでできあがり♪
- 『アップルマンゴー』を冷凍庫から出し10分ほど置く。
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とろ〜りほかほか!ミネストローネ&チーズ
作り方
- スープ用のカップ等に、『キャンディチーズ』をちぎりながら入れる。
- 1の上に『フリーズドライミネストローネ』を袋から開けてのせる。
- お湯150mlを注ぎ、よくかきまぜて出来上がり!
*お湯は、耐熱容器に水を入れて500W電子レンジで60秒チンしても準備できます。
作成:ワタミ株式会社
このワークシートは「有機野菜農場で農業体験〜持続可能な農業を未来に〜」で使用したワークシートです。